こんにちは、栗かのこです。
ゴールデンウィーク、真っ青な空がひろがるお天気の日に東京・上野の東京国立博物館(トーハク)で開催中の特別展「茶の湯」展にOkapiとチビナと一緒に行ってきました。この展示は、奇跡とも言われるほど、茶の湯・茶道にかかわるお道具の名品揃いなので、茶の湯をたしなむ&茶道に興味がある方にとっては見逃せない展示となっています。
なんでも鑑定団で注目をあつめた「曜変天目」茶碗の正真正銘の本物(稲葉天目)の展示はGW最終日の5月7日までとなっています。「茶の湯」特別展は6月まで開催中ですが、庭園公開も5月7日までなので、ぜひGW中に訪れたいですね。
金曜・土曜やゴールデンウィーク中は夜9時まで開館しているそうです。凄いですね。国立博物館、気合が入っています!
東京国立博物館(上野):開館時間・休館日・アクセス
開催期間
2017年4月11日(火)〜6月4日(日)
開館時間(夜間延長 も充実)
午前9時30分〜午後5時
※金曜・土曜は午後9時まで 、日曜は午後6時まで 開館。
ゴールデンウィーク期間中の4月30日(日)、5月3日(水・祝)〜5月7日(日)は午後9時 まで。
※入館は閉館の30分前まで。
休館日
月曜日 ※ただし5月1日(月)は開館。
住所・電話番号
会場:東京都台東区上野公園13-9 東京国立博物館「平成館」
電話番号:03-3822-1111(代表)
アクセス(電車)
JR上野駅公園口、または鶯谷駅南口下車 徒歩10分
東京メトロ 銀座線・日比谷線上野駅、千代田線根津駅下車 徒歩15分
京成電鉄 京成上野駅下車 徒歩15分
アクセス(台東区循環バス)
台東区循環バス「東西めぐりん」で上野駅・上野公園バス停から乗車し、1つ目のバス停が東京国立博物館前(2分)。
東京国立近代美術館(竹橋)との無料シャトルバス運行!
4月11日(火)〜5月21日(日)の開館中、東京国立博物館と東京国立近代美術館の間を無料シャトルバスが運行します。
(乗車には展覧会チケットの提示が必要)
茶の湯展 混雑状況・日傘・お水
開館は朝9時半~でしたが、私たちは日曜日の朝10時に国立博物館の入り口で待合わせしました。
正面の門を入ってすぐの入場券売り場は混雑はしておらず、すぐに中に入れました。晴天のこんな日に必須な日傘を私は持ってきていなかったのですが、正門入り口の右手に、貸し出し用の日傘(無料)がありました。なんと親切なことでしょう!GW中は庭園も特別公開されていますので、貸し出し用の日傘はありがたい心遣いですよね。さすが茶の湯展?!
正門を入って左手、緑のライオン像の前を過ぎて、特別展の会場である「平成館」にすすんでゆくと・・・行列になっていました。30分待ちとのプラカードをスーツ姿の男性が持って案内をされていました。行列の先頭付近には頭上にテントが張ってあって、給水機が数台おいてあるので、待っている間に紙コップでお水もいただけます。茶の湯展ならではなのでしょうか、他の特別展の際にもされているのでしょうか、お心遣いに感謝でした。熱中症対策もばっちりですね。
30分もは待たずに平成館の建物内に入ると、入場券を見せて、エスカレータで2階の展示室へ向かいます。会場は第1会場と第2会場に分かれていました。
第1会場の入り口でオーディオガイドを借りると、展示室内は人が多く混雑していて、注目の茶器やお茶碗の前では人が2重くらいになっていましたが、ゆっくりと回る分にはどの展示品もじっくり間近で見ることはできました。伊藤若冲展など、入場制限ができるほどのブームというわけではなさそうです。
春風亭昇太さんによる「茶の湯」展のオーディオガイド
オーディオガイドは借りるべき?
最近の美術展では、オーディオガイドのナレーションを有名人されていたりして、凝っていたりしますよね。「茶の湯」特別展でのナレーションは笑点の6代目司会者としておなじみの春風亭昇太さんです。軽快な語り口で、茶の湯の大まかな流れや各名品の解説をされていました。
今回のオーディオガイドを借りるべきかどうかは・・・個人的な感想としては
茶道や茶道具に詳しい方:不要=借りなくてOK(展示品の解説を読むのが好きではない、面倒な場合は借りてももちろんOK)
茶道未経験者・初心者の方:まあまあ必要=借りると、お道具を見るときに理解が深まる
だとおもいます。
オーディオガイドよりおススメ?!1階ロビーの解説ビデオ
平成館1階ロビー、入ってすぐ右手に茶の湯展のビデオが流されていて、大まかな茶の湯の歴史:足利将軍家の茶の湯(唐物)→侘茶を大成した利休さん→戦国大名の茶の湯→近代茶の湯の実業家数寄者たち の流れを展示されているお道具とともに解説されていて、とても分かりやすかったです。このビデオを見てから、2階の展示室に行く、または、展示の途中で一休みするときにビデオを見てからまた展示室に戻る、などされるのがおススメです!
ビデオ(無料)は目立たない場所にあったので、気づかない方も多いかもしれません。きっと主催者側としてはオーディオガイド(520円)の方を借りてほしいですよね・・・
展示室内や2階ロビーのソファー席には本展の図録も置かれていますので、ひと休みしながら、今みた展示品の写真や解説をみると、お道具もさらに細かいところまで見られるのでおススメです。
見どころの展示品(個人的感想の記録)
第1章:足利将軍家の茶の湯
足利将軍家が収集した荘厳な唐物で、中国から渡ってきた貴重な品々です。①~④はすべて国宝!
①観音猿鶴図(国宝):牧谿による絵、本物は初めて拝見しました。牧谿猿が愛らしく、鶴は凛々しい!こんなに大きな掛軸だったのですね。
②青磁下蕪花入:「下かぶら」とは、蕪(かぶ)の形が下のほうについているから。中蕪(なかかぶら)というのもある。先日4/23に伺った根津美術館のお茶会で説明をお聞きしました。
③油滴天目:縁が金で外側も内側も油滴がキラキラ美しい!さすが国宝です。
④曜変天目(稲葉天目):曜変の虹色の輝きが半端なく、オーラがすごいです。やっぱり「なんでも鑑定団」の曜変天目は、(画像でしか見ていませんが)ニセモノなのでは・・・と思ってしまいます。
リソース:静嘉堂文庫ホームページ「稲葉天目」
第2章:侘茶の誕生
⑦三島茶碗:Okapi「お鍋をするときの土鍋の柄だね!」そういえば、そうでした。
第3章:侘茶の大成―千利休とその時代
茶色や黒の渋めのお道具が並んでいる様子に、Okapiも「し、しぶいよね・・・」
普段から茶の湯・茶道に親しんでいてお茶道具に触れている方ではないと、展示品の凄さや素晴らしさが良くわからないかもしれません。
第4章:古典復興―小堀遠州と松平不昧の茶
茶室「燕庵(えんあん)」の実寸大複製も展示されています!ここでのみ写真撮影OKです。
野々村仁清や乾山の華やかなお道具、やっぱりいいですよね~。
第5章:新たな創造―近代数寄者の眼
⑳交趾大亀香合:おおぶりのカメのお香合です。交趾の黄色はおもったほどピカピカはしていません。香合番付で1位だったとか。おぼろげな記憶ですが、藤田鈍翁さんが5万円(=現在の5億円)で落札したとか?!(間違っていたらごめんなさい)
㉑黒樂茶碗 銘「鈍太郎」:藤田「鈍翁」さんの名前の由来になったほど、藤田さんが気に入ったというお茶碗。びっくりするくらい大振りの丸々した形で、それに比べて高台はおちょぼ口のように小さいです。初めて拝見しました。
茶道各流派によるお茶席(平成館1階ロビー)
4月18日~30日まで、茶道の各流派のお茶席(立礼席)が設けられていました。4月18日初日の表千家からはじまって、4月30日の最終日は裏千家のお茶席の日でした。朝10の時点ですでに14時~の回まで満席。このお茶席は平成館ロビーでオープンになっていて、席主さんはマイクを使ってお話しをされていて、お茶券を買わなくても遠巻きにお軸などを拝見することはできました。
軽食・喫茶・ロッカー・トイレなど
軽食・喫茶
平成館1階ロビー:鶴屋吉信さんのお弁当・和菓子など+奥に飲物の自動販売機
庭園内:ボックスカーの屋台あり、コーヒーは注文の都度ドリップしていて、ソフトクリーム(バニラ・抹茶・小豆)もあり。お庭の池と小堀遠州のお茶室を見ながら小豆のソフトクリームを食べましたが、とってもおいしかったです!
国立博物館の敷地内・平成館の外:ホテルオークラ直営のレストランも入っています。
給水機
平成館1階の奥側(ロッカーの方)、2階のロビーにもあるので、水分補給はできます。
お水がぴゅーっと出てきて口を付けて直接飲むタイプ
ロッカー
平成館1階ロビーの奥側にあります。100円が戻ってくるタイプ。
ロッカーの数は十分ありました。
Museum Shop
2階のロビーに設置されています。
帯締めの「道明(どうみょう)」(上野・池之端)さんによる、茶の湯展オリジナル帯締めもありました。道明さんの帯締めはデパートの新宿伊勢丹などでも購入できます。
お値段は少ししますが、着物をお召しになる母の日のプレゼントにもよさそう?!
茶の湯展の所要時間・まとめ
今回は国宝・重要文化財に指定されているような目玉展示品だらけなので、じっくりとみていると展示室だけで2時間ほど、GWいっぱい公開されている庭園も散策する場合はプラス1時間ほどみておくほうが良さそうです。
東京国立博物館は夜間開館も充実しているので、「名碗オールスターズ」と言われるこの茶の湯展はぜひゆっくりとお楽しみください!