5月21日まで開催されている、国立近代美術館の樂展と国立博物館の茶の湯展は、どちらも奇跡的な充実ぶりとなっています。茶の湯をたしなむ方々にとっては見逃せない展示ですね。
東京国立近代美術館(竹橋):「茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術」3/14-5/21
利休の侘茶の思想をくみとり、一碗の中に表現した樂茶碗。今から450年前、樂家初代・長次郎という人物によって創造された樂茶碗は一子相伝という形態で現在も続いています。
千利休が愛した初代長次郎の黒樂茶碗「大黒」をはじめ、歴代の重要文化財のほとんどを一挙公開。本阿弥光悦の重要文化財をはじめ、よりすぐりの作品も出品されます。
<公式ホームページより、本展の凄いところ>
- 1. 初代長次郎、光悦の重要文化財が、かつてない規模で揃います
- 2. 利休が愛した名碗が揃います
- 3. 樂家450年の伝統と技をご覧いただけます
- 4. 現代の視点でとらえた初代長次郎はじめ、歴代の「今」をご覧いただけます
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歴史を動かした武将や茶人が愛した名品が一堂にそろう特別展「茶の湯」が4月11日~東京・上野の東京国立博物館で開催されています。
今回出品される約260件のうち、およそ3分の1が国宝や重要文化財といった指定品であるため、これだけの名品がそろうのはまさに奇跡と言われています。「出品されるのは今でも宝物のように扱われている道具の数々。『茶の湯』そのものを象徴するような品々が勢ぞろいする」。「『名碗オールスターズ』をうたっているが、これだけの名物・名品がそろうのは歴史的なことだ」と言われています。
国宝「曜変天目(ようへんてんもく) 稲葉(いなば)天目」(5月7日まで期間限定展示)や国宝「油滴(ゆてき)天目」、足利義政が愛した重要文化財の「青磁輪花茶碗(ちゃわん) 銘 馬蝗絆(ばこうはん)」、織田信長から柴田勝家に贈られた重文「青井戸茶碗 柴田井戸」など、“名碗のオールスターズ”が登場します。国宝で牧谿筆「観音猿鶴図」などの絵画や花入なども合わせて展示。
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お得な共通券あり&東京近代美術館と東京国立博物館を結ぶシャトルバスが期間限定で運行(4/11-5/21)
歴史的な名物・名品を拝見できる両展には、合計400円引になる共通券が当日窓口で購入できます。どちらも見逃せない展示となっているので、共通券を購入するのもおすすめです。この共通券は、同じ日に観覧しなくても、会期中だったらどちらから先に行ってもいいので、とても便利ですね。
また、今回の両展が同時に開催されている期間中は、東京近代美術館(竹橋)と東京国立博物館(上野)を結ぶシャトルバスも期間限定で運行されます。公共交通機関ですと竹橋と上野は乗換しなくてはいけないので、一日で2つともに行かれる場合は、ありがたいですよね。
運行区間 |
東京国立博物館(上野) ⇔ 東京国立近代美術館(竹橋) |
運行時間 |
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出光美術館(東京・丸の内)「茶の湯のうつわ 和漢の世界」4/15-6/4
桃山時代に確立した侘茶は、江戸時代に入ると大名茶人による新しい方向性が生み出されました。武家や公家、さらに町衆に至るまで茶の湯の風習が広がり、用いられるうつわも多様になりました。その変遷を140点の作品で見ることができるので、茶の湯・茶道をされている方には、この展示も必見となりそうです。
東京国立近代美術館「茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術」展の半券をお持ちの場合は、本展を100円割引してもらえます。
畠山記念館(東京・高輪台):「茶の湯の名品―破格の美・即翁の眼」4/8-6/18
今回は、畠山記念館の創設者畠山即翁の茶道具コレクションから、誰もが認める極め付きの逸品をが紹介されます。「重文 伊賀花入 銘 からたち」や「重文 志野水指 銘 古岸」など、破格な造形に特徴がある桃山茶陶を展示。また、近代最後の数寄者と言われた畠山即翁が畠山記念館の展観で披露した茶道具の取り合わせが再現されます。期間中「重文 竹林七賢図屏風 雪村周継筆」を特別展示されます。