茶道/Chanoyu

お稽古2017.4 茶花:ケマンソウ 菓子:『つる瀬』牡丹

桜吹雪が散って、葉桜がきれいになる頃、気持ちのよいお天気の日のお稽古でした。

お軸は、大徳寺高桐院の和尚さんによるお筆、「花為誰開(花誰が為に開く)」。お軸の紙はピンク・ブルーに金も施されていて、春爛漫のような華やかな掛け軸でした。

大徳寺高桐院は、JR東海「そうだ、京都に行こう」のCMにも出てきたお寺です。利休七哲の一人細川忠興(三斎)の創建で、細川家の菩提寺となっており、三斎とガラシャ夫人のお墓もあります。

お花:「華鬘草(けまんそう)」(鯛釣り草ともよばれます。)

棗:「堆朱(ついしゅ)」で牡丹の彫り。

茶杓:銘「野の花」

お茶:『柳櫻園(りゅうおうえん)』の春季限定抹茶「小櫻(こざくら)」

主菓子:湯島『つる瀬(つるせ)』の練きり「牡丹」

干菓子:富山県『志乃原』の「江出の月(えでのつき)」

青磁のような美しい色、薄青色の丸いおせんべい。

お茶碗:京焼き 源氏物語の「柏木(かしわぎ)」

柏木の帖にある和歌「この春は柳の芽にぞ玉は貫く 咲き散る花の行くへ知らねば」からきているようです。

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現在開催中の東京国立博物館の特別展「茶の湯展」や、東京国立近代美術館での樂展に行ってきたことなども話題になりました!

春らんまんで気持ちも晴れ晴れとするようなお稽古の朝となりました!

お稽古2017.2|茶花(クリスマスローズ)・筒茶碗・平棗

こんにちは、栗かのこです。

2月のお稽古は、梅の便りもとどくなか、ぽかぽかと心地よいお天気の日でした。

お茶室に入ってびっくり、お花はクリスマスローズが入れてあります!

今回は、梅の平棗、梅の形のお茶碗、筒茶碗、利休梅の風炉先などの季節のお道具でした。

お菓子は、一炉庵(いちろあん)製「貝合わせ」

茶花:クリスマスローズ

クリスマスローズがお茶室にあるとは?!とても以外でしたが、お茶席の雰囲気にもぴったりしていました。

実は、クリスマスローズは「利休花笠(りきゅうはながさ)」「寒芍薬(かんしゃくやく)」「雪起し」などの別名があります。

日本には明治の頃に薬用植物としてもたらされた際に、下向きに楚々と花が咲く風情がお茶人に好まれたそうです。クリスマスローズはすっかり洋風だと思っていたのに、舶来もののお花に「利休花笠」などという名前をつけて愛でるという明治の頃のお茶人はおしゃれだなあと思いました。

お花に見える部分は植物学上はガクの部分。このガクは五角形をしていることから、「ごーかく(合格)の花」ということで、縁起物だそうです!ちょど日本では1月~3月頃に咲くので、受験シーズンでもありますね。

そんな合格の花だったなんて、あらためて、クリスマスローズって凄い人(花ですが)ですね。

筒茶碗

梅の形が可愛いピンク色のお茶碗ともう一つのお茶碗は、筒茶碗。お茶碗が(広がらずに)まっすぐと立っていて、口が狭いお茶碗です。

お茶が冷めにくくなるために、寒いこの時期に使われるお茶碗だそうです。一年のうちこの時期(主に2月)しか使われないのに、筒茶碗の扱いはいつもと違うので、ちょっと緊張しつつ扱います。口が小さいので、お茶は点てづらいのですが、個人的には筒茶碗のすっとした姿は好きです。

平棗

今回の棗は平棗。平棗も扱いがいつもと違います。平棗を初めて扱ったという生徒さんもいらっしゃいました。

梅の螺鈿が施してある棗でしたが、梅のデザインがモダンな感じもして、個人的にはとても好きなお棗でした。

お菓子「貝合わせ」

一炉庵(東京都文京区)さんの生菓子、薄ピンクの蛤(ハマグリ)の形のお菓子で、銘は「貝合わせ」。

貝合わせとは、綺麗な絵や金彩を施した蛤の二つの貝を合わせる春の遊びで、平安時代の宮中での雅な遊びが伝統的に続いています。

蛤の貝は同一の貝の組み合わせではないとぴったり合わないことから、幸せな結婚の象徴として特に女性の遊びやひな祭りの時に重んじられてきました。ひな祭りのお食事にでてくるお吸い物といえば、蛤のお吸い物ですしね。

薄ピンクの「貝合わせ」のお菓子をいただくと、なんだかときめく感じがしました。春ですね~。

お干菓子は、(たしか)鶴屋吉信さんのお雛様のおせんべいと、二條若狭屋さんの打ちもの。

春めきますね~。

 

 まとめ

今回は、いつにも増して季節を感じるお茶席でした!

【茶道体験】茶道体験・茶会に行くときの服装・持ち物は?

こんにちは、栗かのこです。

茶道体験やはじめてお茶会に行くことになった場合、いったいどんな服装で行けばいいのか、何を持っていくといいのか、よくわからないかもしれません。

【服装】どんな服装がおすすめ?

お茶室で正座をすることが多いので、洋服の場合は

女性:長めのスカート(膝が隠れる長さ以上)がおすすめです。 フレアースカートだと足をくずして座っても目立ちません。

ミニスカート・タイトスカートは避けましょう。

男性:やわらかめの素材のズボンがおすすめです。固い素材のズボンだと、正座ですぐに足がしびれてしまいます。また、ジーンズは柔らかい畳を傷つけるかもしれないので避けてください。

足は素足ですと畳によくないので、靴下(できれば白い靴下)を履くとよいです。

 

【持ち物】何を持っていくとよい?

靴下

茶道のお稽古を洋服でする際には、一般的にみなさん白い靴下をはきます。

着物に合わせる白足袋の代わりということのようです。

寒い時期だと黒いタイツに白い靴下を合わせたりするのも当たり前なのです!タイツやストッキングの色には関係なく、白い靴下をお持ちだったら、白の靴下をお持ちください。茶道体験の場合は他の色の靴下でも大丈夫です。

懐紙・菓子切り

茶道体験の時には主催者側が用意してくださるかもしれません。お茶会の時には持参するほうがいいです。

茶道用扇子

茶道体験の時には、おそらく必要はないと思います。

お茶会におよばれした時にも、未経験者の方でしたら必須ではありませんが、茶道用扇子をたまたま(親御さんが持っていて家にあった、知人からもらった、など)お持ちでしたら、持っていくとよいです。

【まとめ】

細かいことを書きましたが、茶道・茶の湯は美味しいお茶をいただいて、そのお茶席での時間を楽しむためにあるので、どうぞ当日は一期一会のお席を楽しんでくださいね。

初釜2017.01

私たちの教室の初釜(お稽古はじめの茶会)がありました。

掛け軸は、『和気笑迎春』大徳寺の老師のお筆です。

和気あいあいと笑って春を迎えられそうな、幸せな気持ちになるお軸でした。

床の間のお花は、乙女椿のつぼみが2輪。ピンクの玉が二つでとても可愛らしかったです。

先生がお濃茶を島台のお茶碗に練られました。島台の茶碗というのは、楽焼きの赤い茶碗の内側が金・銀で塗られており、金銀の茶碗を重ねて使われます。 赤 x 金&銀の色合いも華やかで、いただく側もテンションが上がりました。

主菓子は、虎屋さんの生菓子『花衣(はなごろも)』羊羹製・小倉餡入、安永2年(1772年)頃の作。

「花衣」とは、華やかな着物や花見にでかけるときの女性の衣装のことだそうです。

200年以上前の意匠や銘のお菓子をいただけるのも、さすが、虎屋さんならではですね。強い甘さの小倉餡の玉の周りを、三角形の紅色の衣で包まれていて、華やかで美味しいお菓子でした。

お干菓子は、京都の「末富(すえとみ)」製、おせんべい『正月』と、すはまでできた松葉。

おせんべいは、干支の酉・富士山・羽子板などの図がついていて、裏側はきれいなピンクやブルーなのです。

こちらも、拝見して、いただくとテンションアップ!!!

→末富さんのお菓子は、東京では高島屋新宿店や日本橋店でもとめることができます。

包装紙もとても美しく色鮮やかで、お味や意匠もお墨付きで、茶の湯をされる方や目上の方への手土産に最適です。

これからの一年が良い年になりそうな楽しいお稽古始めとなりました。